今年はすごい早さで社会全体の価値観は変わってきており、人々の価値観も急速に分かれていっています。
以前からそれは感じていましたが、特にこの半年はそれが進んでいるように思えます。
今までの価値観を見直し心を土台とした調和にいくのか、あくまで競争の価値観のままでいくのか、真剣に考える時だと思います。
その必要性が目に見えて解るような状況になってきています。
そんな中、最近は日本人が日本の良さを忘れ、自ら日本人らしさを捨てる方向に向かってはいないだろうか、
と危惧している人が多いと聞きます。
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20201013-00076099-money_gendai-column (日本語を理解できずに英語だけ上手になる幼児)
私も日本人が本来持っている調和力や、お互いの信頼を元とした日本的な生き方を取り戻せれば、社会が良い方向に向かうと思っています。
今の状況は、マスクや三密回避などの人と人との分断を頑なに続け、その裏では国民の負担となるような政策が進むという心のない社会となっています。これが本来の日本なのだろうかと多くの人が感じているように思えます。
では、日本人らしさとは何でしょうか。日本の心とは何でしょうか。
こういう話があります。
以前にスウェーデンの教師が日本の学校に視察に来ていました。
その時にちょうど運動会が行われていたそうですが、そこで生徒達に順位付けをしていた事や、周りで見ている大人や教師が子供達の勝ち負けに熱中する姿を見てスウェーデン教師は大変驚いたそうです。
そして、その学校の校長に「今の日本の学校ではこんなあからさまに子供同士で競争をさせているのですか?」と尋ねました。
すると校長は「そうですね。子供達のモチベーションアップにもなりますし、自分に打ち勝っていく心を養うのです」と返答します。
これを聞いたスウェーデン教師はこう返します。
「人間が成長するという事は他人に勝つ事ではないはずです。
この教育方法では他人に勝ちたいという欲望、負けたくないという不安が増長するばかりです。
このような価値観を刷り込まれた子供が大人になった時に社会がどうなってしまうかを日本の皆様は真剣に考えるべきではないでしょうか。
日本は西洋には真似のできない心を中心とした文化があるはずではないのでしょうか。
その日本人である皆様が子供にこのような教育をされている事は驚きましたし残念です」と。
この言葉を聞くと一体どっちが日本人なのかと思ってしまいます。
このような事を外国の方が感じるほどに、私達は日本人としての心を失いかけているのです。
日本には武道をはじめ色々な「道」と呼ばれる文化があります。
武道でいえばその目的は「刀を抜かない、手を出さない、出させない」事です。
それは究極の強い人間になる事などではなく、誰も傷つけないという人間としての愛を深めていく道です。
なぜそのような文化を生み出せたのでしょうか。
昔の刀を持ち歩いていた頃の日本人は、人間は斬られたら終わりという事が今の時代よりずっと解っていました。
誰かより強い人間になる、頭が良くなる、良い会社に入っている、お金を稼いでいる等、
そのような事で人より優位に立っていても、斬られたら一瞬で終わりです。
ですから、地位や名誉や称賛を得るという価値観は、儚いものだと実感している人が多かったのです。
そのような生き方の正体は惨めで無様だったのです。
大切な事は優劣や競争、恐れや不安のエゴではなく、本当は皆が同じなのだから調和と信頼を深めていくという事でした。
そうしなければ、1人1人の心から愛を失わせていき、社会全体を狂わせていくという事を解っていたのです。
そこから生まれたのが「斬らない心」なのです。
今のように国民を分断するような社会風潮を従順に受け入れ、不安や恐怖によってウイルスと戦う道を選ぶということは、他の生物に対しても謙虚な心を失うような流れになっていないでしょうか。
不安や恐怖が先行すると、自分以外の存在がいてくれるお陰で生きているという感謝の心は失われます。
ウイルスや細菌を敵として考え、感染対策をしない人間まで恐れ、差別や排除という事にまでつながっていきます。
どうすれば人間は他の生物たちと調和していけるかという発想にはいきつきません。
しかし、道の文化を生み出した当時の日本人はそれを良しとはしませんでした。
皆それぞれ自分の心と向き合い、お互いの愛を深めていきました。これが本来の日本人の生き方ではないでしょうか。
更に言えば、台湾、インド、パラオ、ミャンマー、インドネシア、ベトナム、カンボジア、タイなどの人々はそういった日本の心をとても大切に思ってくれています。
今も日本に感謝していると言ってくれている事をどれだけの人が知っているのでしょうか。
これらの国の人々は日本人に対してこのような事を言ってくれています。
「日本人のあなた方は世界で初めて白人に弾圧されていた植民地のアジアの人々を救い、独立を手助けまでしてくれました。
どれだけ返しても返しきれない恩です。その事によって今もアジアの人々は日本を大切に思っています。
それは黄色人も黒人も白人も関係ない。皆が大切な存在なんだと人を愛する心を世界に示したからではないでしょうか。
世界から植民地などという非道な行為がなくなったのは日本人のおかげなのです。
私達は今でも心から日本に感謝しています」と。
また、パラオは日本人に関しては短期滞在であればビザなしで入国可能という対応もしてくれています。
他にもアジアの国々はこのような対応を日本人にしてくれています。
今もとても日本を大切に思ってくれています。
「日本人がいてくれなかったらパラオはずっと植民地のままだった。
日本人は白人に弾圧を止めさせただけでなく、私達にも真摯に接してくれた。あの時いただいた恩はパラオ全体でこれからも大切にする。
日本人がいてくれなかったら今のパラオはない。本当に日本人がいてくれて良かった」
https://www.youtube.com/watch?v=05bCIbCElG4 (台湾・パラオの日本への思い)
https://www.youtube.com/watch?v=RBj07DB4KwY (パラオが親日の理由)
という現地の人達の言葉です。
アジアの人達が植民地になっていた太平洋戦争の時代というものは日本人にとって触れたくない事だと思います。
占領政策の影響によって日本人は侵略を繰り返した悪い集団のようなイメージがあるからだと思います。
テレビやメディアも聖戦、神国日本、鬼畜米英、軍国主義、「欲しがりません勝つまでは」等の私達が嫌悪感を抱くようなフレーズや映像をたくさん取り上げ、当時の日本の過ちの部分を集中的に伝えるような事をしてきます。
放送される番組も日本は酷い事をしたんだ、悲惨だったんだ、愚かだったんだと執拗な伝え方をするものばかりです。
この教育の影響は今でも続いており、ある高校では「日本嫌い」、「日本って最悪、恥ずかしい」、「日本人って馬鹿」という感想文を出す生徒がいまだにいるそうです。
親子でもこういう認識の人達が多いと聞きます。子供から大人まで日本が嫌いな日本人が多いというのが現状のようです。
しかし、アジアの人達の言葉を聞くと、報道や教科書から得た話とは違い、日本人は心ある人達でしたよ、愛を持っている人達でしたよと言ってくれています。
見ていた人達がそう言ってくれているのです。
実際は多くの日本人はやりたくないのに権力者の思惑に巻き込まれたのであって、ほとんどの人達は冷静に戦争に反対していたと聞きます。
いざ戦争になってしまっても1人でも犠牲者を減らすために早く講和しようと努力した人達もたくさんいましたし、戦闘だからといって必要以上に他国の人間に対して非情になってはいけないと諭す人達もたくさんいました。
万歳!万歳!などと言って戦いを賛美するような人達だったのではないのです。
ましてや植民地にして現地の人達を奴隷にするなどは決してしませんでした。
もちろん過ちを犯す人も、酷い事をした人もいました。
人の精神を狂わせるのが戦争であり、日本人のなかにもそうなってしまう人がいたのも事実です。
しかし、ほとんどの日本人はそうではありませんでした。
現地の人達は日本人の本当の姿をしっかり見てくれていたのです。
こういった方々が日本を大切に思ってくれています。
こういった人達の気持ちを私達はどのように考えるべきでしょうか。
単に植民地から解放してくれてありがとうと言っているのではないと思います。
日本人の何に感謝して、何を大切に思っていると言ってくれているのでしょうか。
日本人の良さを理解してくれているスウェーデンでは自粛もマスクも強要せずロックダウンも実施しませんでした。
ウイルスとの共存を選び集団免疫の獲得を選びました。すでに普段通りの社会に戻っています。
これが意味するものとは何でしょうか。
本来の日本人の生き方とは真実に目を向け調和的な判断ができ、他の生物に対して謙虚に共存していこうとするものではないでしょうか。
このままウイルスと戦う(不安・恐怖)という価値観でいけば日本人らしさが失われます。
戦い・競争の価値観で物事を判断するのは本来の在り方ではないと見抜くことのできた心の深さが失われてしまいます。
戦争は二度と起こさないという日本人の決意は単に爆弾や戦車を使わないという事だけでなく、斬らない心・調和の心を二度と忘れないというものだったと思います。
占領政策や競争社会によって日本人の心は疲弊し、これらの決意もすっかり忘れ去られてしまいましたが、失われたわけではないと思います。
日本人の本当の力は調和を生み出すほどの心の深さにあるはずです。アジアの人達もそこを尊敬してくれています。
このウイルス騒動から多くの事に気付き、稽古で日本の心を皆様と共有できればと思っています。
社会の流れは私達の心の在り方で決まります。
表面的には政府や権力が流れを作っていたかもしれませんが、それに同意し容認してきたのは主権者であるはずの国民です。
それならば物事の見方を変えられる人が増えてくれば、現在マズい方向に向かおうとしている社会を違う流れに変えられるはずです。
色々な職種がありますが、それらはシステムではなく全て人間の心で成り立っています。
お互いの心が変わりつながれば社会は良い流れになるという事でもあると思います。
アジアの人達は武道や道の文化、心の文化を生み出した日本を大切に思ってくれています。
この前、少年部にこの話しをしたら嬉しそうな表情をしておりました。
心でつながっている事を僅かながらでも実感してくれていたようでした。
真剣に話しを聞いてくれる様子を見て、やはり人間は調和の心によって本来の力が出せるし、本来の生き方もできると実感しました。
同時にこういう話しを理解し、真剣に取り組む少年部の姿は、人間は心であり大人とか子供とかは一切関係がない事を私にも教えてくれています。
1人1人の心にどれだけの可能性があるかを見せていただきとてもありがたく思います。
改めて皆様との稽古を大切にしていきたいと思います。
共に道を深められる事に感謝します。
いつも稽古にご参加いただきありがとうございます。
保護者様にはいつもお子様をお預けいただきありがとうございます。